搬送式納骨堂はリスクを分かって選ぼう
自動搬送式納骨堂はリスクを分かって選ぼう
首都圏で納骨堂・永代供養墓が増加していますが、特徴的なこととして「自動搬送式納骨堂」と呼ばれる、納骨堂が増えていることがあげられます。
自動搬送式納骨堂とは、お参りする人が遺骨を収めている場所まで行くのではなく、遺骨が参拝場所まで自動的に搬送されてきてお参りができる納骨堂のことです。自動車のタワーパーキングで、車が搬送されてくるようなイメージに近いといえるでしょう。
通常は「納骨場所」と「参拝場所」が区別されているが、参拝者が参拝する時には、参拝場所に遺骨が自動的に搬送されてくるシステムです。
なぜ自動搬送式納骨堂が増えているの?
もっとも大きな理由が、納骨スペースの有効活用です。土地の限られた都市部で寺院が納骨堂を作るときには、どうしても限られたスペースを有効活用したいという考えが生まれます。
これまでの納骨堂であれば、納骨場所=参拝場所ですので、納骨スペースには通路の確保などをしなければいけません。しかし、搬送式納骨堂であれば、機械が稼働するスペースの確保ができればよいで、一般的な納骨堂に比べて数多くの遺骨を納骨することが可能になります。
また、納骨堂を設置提案する業者が、搬送式を寺院に強く進めるという背景もあるでしょう。同じスペースで、より多くの納骨ができるということは、順調に納骨堂の購入者が増えると仮定すれば、寺院として将来的に入ってくる費用が大きくなります。
自動搬送式納骨堂のメリットは?
自動搬送式納骨堂は、都市部の寺院で多く見られることから、駅から徒歩圏内など、利便性のよい場所に納骨堂を求めることができます。
また、納骨スペースの有効活用を主にしているため、似た条件で一般的な納骨堂と比較した場合に、費用が抑えられる可能性もあります。(ただし、納骨堂の費用は、寺院の考え方により設定されますので必ず費用が抑えられるというわけではなく、年会費が割高になる可能性もありますので、ご注意ください)
その他にも、搬送式納骨堂はここ10数年と比較的新しい、納骨堂のスタイルであるため、新しい納骨堂が多く、設備が充実している場合やバリアフリーなどでお参りに配慮した寺院が多い傾向があります。
自動搬送式納骨堂のデメリットは?
もっとも大きなデメリットは、機械が相手であることです。搬送システムを今後何十年も運用していかなくてはならないことから、メンテナンス費や修繕費が非常に大きな負担になるリスクがあります。そのため一般的に、機械搬送式納骨堂は、年会費が少し高めに設定されている傾向があります。
将来的に搬送システムを維持、更新してくために、管理費が上昇する可能性や、利用者にその維持費用を求められる可能性についても、確認・理解したうえで、搬送式納骨堂を選ばれることが重要と考えます。