納骨堂がいっぱいになった時の対処法
「お墓を管理する後継者がいない」や「子供たちが遠方に住んでいて頻繁にお墓参りに来られない」という人におすすめなのが、納骨堂に埋葬することです。
しかし、寺院や管理会社が開設していることが多いことはよく知られていますが、納骨するときのルールなどは意外に知られていないという現実もあります。
いざというときのために、納骨や埋葬に関する知識を知っておき、慌てずに親族同士で揉めることがないようにしたいものです。
あらかじめ檀家になり見学しておくと安心
寺院が管理する納骨堂は、基本的にはその寺院の檀家が優先的に納骨できるシステムになっています。
檀家とは、特定の寺院に属した家全体を指しており、檀家に入るためには一定の料金を支払う必要があります。
入檀後も、お布施を支払ったり寺院の行事を支える援助をしたりと、寺院そのものを支える手助けをします。
檀家に入っていると、寺院の空いた墓地などを優先的に使用できる特権があるため安心です。
自宅近くの希望する寺院に埋葬することを望む人は、いざというときのためにその寺院の檀家に入っておくと、納骨がスムーズにいきます。
また、墓地の管理会社が開設している納骨堂でも一定の収容数があるため、事前に見学し、予約や仮契約などをしておくと安心です。
契約の仕方は管理会社によっても異なりますが、手付き金や戸籍謄本などの資料が必要な場合があるため、それぞれの管理会社の仕組みを理解しておくと安心です。
長期間年数が経ったお骨は一つにまとめられる
納骨堂の場合は、一般的な墓地と異なり、寺院や管理会社の規則に従って埋葬することが定められています。
例えば、人によっては希望する骨壺の大きさや形、お供えしたい品物がある場合もありますが、管理会社等の規則によって制限がかけられるケースもあります。
これは、あらかじめ決められたスペースにお骨が納まるようにするためだったり、お隣の家とのトラブルをなくし、落ち着いた環境でお参りができるようにするためです。
さらに、限られたスペースを有効に活用するために「納骨後、長期間経って古くなったお骨は、一つにまとめて集団供養する」という決まりを設けているところが多くあります。
期間は管理会社等によって様々ですが、三十三回忌や三十年など独自の規則で決められている場合がほとんどです。
納骨堂の席も年数が経てばいっぱいになるため、多くの故人を供養するためには、このような対処方法も必要不可欠を言えます。
それぞれの寺院や管理会社の決まりをあらかじめ知っておき、納得した上で契約することが大切です。
寺院や管理会社が定めた規則に則って行う
基本的には納骨は一人分ずつ行い、年数が経ったものから、まとめて集団供養するという方法が取られます。
しかし、最初からお骨を砕いて集団の骨壺の中に納め、砕いたお骨を袋に入れて他の人と混ざらない方法で一緒に埋葬する方法、親しい家族のお骨のみを同じ骨壺に納める方法など、様々なやり方があります。
以前のような、一家に一つ墓石を立てて、それぞれの骨壺を埋葬する方法は、管理が難しかったり後継者がいなかったり、また墓石を立てるスペースがなかったりして避けられる傾向があるのも事実です。
新たな納骨スペースを確保するために、一定期間が経ってから納骨の方法を変えることはよくある話ですが、散骨や骨壺を掘り起こす際は、専門の業者が立ち会って行います。
日本には「墓地、埋葬等に関する法律」が定められているため、勝手な判断でお骨を扱わないように心がけてください。
近年、お参りする人がいないため無縁仏となり、お墓を後継する人がいないため管理できないなどのトラブルが多く発生しています。
以前は、先祖代々のお墓を守っていくというのが日本人の慣習とも言えましたが、別の土地へ移住し、子供が引っ越して地元を離れるなどして、お墓を守るという意識が薄れてきているように感じます。
そのような中で、納骨のスペースを確保することは、これからの時代、大変重要な課題となってくるはずです。
そして、寺院や管理会社の元で納骨、埋葬する際は、そこの決まりに従いトラブルがないようにすることが大切です。